文部科学省が進める「GIGAスクール構想」とは?
教育ICTの学校導入に向けてやるべき4つのこと

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文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」が教育界を中心に大きな話題となっています。すでに取り組みを発表している自治体もありますが、何をすればいいのか迷っている自治体や学校の教育ICT担当者も多いでしょう。そもそも「GIGAスクール構想」とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、GIGAスクール構想の概要と特に注目すべきポイントを解説し、学習者用PCや校内LANなどの整備を任された担当者がやるべき4つのことを紹介します。

GIGAスクール構想とは

GIGAスクール構想とは、義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画です。
その目的は子どもたち一人一人の個性に合わせた教育の実現にあります。さらに、教職員の業務を支援する「統合系校務支援システム」の導入で、教員の働き方改革につなげる狙いもあります。

重要ポイントはこの4つ!

GIGAスクール構想に沿った対応を行う教育ICT担当者が考えていくべきことは、「校内LANの整備」「学習者用PC」「学習と校務のクラウド化」「ICTの活用」の4点です。

01校内LANの整備

1つ目は校内LANの整備です。すでにネットワーク環境を整えた学校では、Wi-Fiの通信が途切れたり遅くなったりして授業が滞ることもあり、教員ではトラブルに対処できないという声もあります。今後は動画教材を使った授業や遠隔授業なども増え、より高速なネットワークが求められます。
全校生徒が同時にネットを使っても問題のない環境整備が必要になります。
今は一部の教室でしかWi-Fiが使えない学校も多いですが、体育館や特別教室などを含め、校内のどこでも校内LANにアクセスできる環境を整えることが望ましいです。
機器の仕様や予算については、支援事業者のWebサイトなどで情報収集してみましょう。

02学習者用PCの導入

2つ目は子ども用のPCの導入です。文部科学省は学習者用PCの標準的な仕様を公開しています。これはあくまで例のため、教育ICT担当者は標準仕様書を参考にしながら各自治体や学校の状況に合わせて調達仕様書を作りましょう。
標準仕様書では、ソフトウエアや通信ネットワークを複合的に考えて、全てがストレスなく使えるかを見極めるのが大切です。
「使いたい教材やソフトが導入した学習者用PCに対応していなかった」──そんなことにならないよう、学校のカリキュラムや予算を照らし合わせながら入念に検討する必要があります。

03学習ツールと校務のクラウド化

3つ目が学習ツールと校務のクラウド化です。GIGAスクール構想ではクラウドの活用を推奨しています。児童生徒や教職員が使うツールは、従来のようにあらかじめPCにインストールするソフトウエアだけでなく、Webブラウザ経由で使うクラウド型のアプリケーションも導入の選択肢として考えましょう。
クラウド型の学習ツールとしては、アクティブラーニングに活用できる「協働学習支援ツール」や、「グループウエア」「ファイル共有」などがあります。
プレゼンテーションソフトや文書作成ソフト、表計算ソフトにもクラウド型アプリケーションが登場しています。
次に校務システムです。文部科学省はクラウド活用により教務、学籍、学校事務などを一括管理する「統合型校務支援システム」の運用を想定しています。
同省によると、すでに導入している自治体では、教員の業務効率化や負担削減により、「教材研究の時間が確保できる」「打ち合わせ時間が短縮され、教材準備の時間を確保できる」といった声もあがっています。
これらのクラウド型アプリケーションは、インターネットに接続して使うため、学校に導入する場合にはセキュリティ対策についても検討し、基準策定を行う必要があります。

04ICTの活用

20年度から小学校で実施される学習指導要領には「情報活用能力の育成」や「ICTを活用した学習活動の充実」が明記されています。
小学校ではプログラミング教育が必修化し、動画活用なども進められます。
プログラミング教育では、算数や理科の単元の中でプログラミングを行う他、PCの操作を学び、理解していくことが望まれています。
プログラミング教育向けの学習ツールや教材は、教材メーカーやIT企業などが開発しており、どの教材を選定してよいのか迷うことも多いでしょう。
GIGAスクール構想の予算の対象ではないですが、学習者用PCや校内LANの整備と一緒に学習ツールの見直しも行っておきましょう。専門家の意見や先行事例などを参考にして、学習者用PCの仕様やカリキュラムに沿って検討する必要があります。
ICT活用については「導入して終わり」ではなく、導入後の効果や使い勝手の確認も含めて、自治体による活用計画やフォローアップなど、継続的に改善を続けていくことが大切です。

GIGAスクール構想で教育ICTに変革がもたらされようとしています。新しい学習指導要領とともに、日本の教育を大きく変える第一歩となるでしょう。
やるべきことは山積みですが、子どもたちの新しい学びの環境を作るため、国をあげて取り組む一大プロジェクトに力を合わせて挑戦していきましょう。

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