解説

スパニングツリーにおいて、非ルートブリッジがルートポートを選択する際には、次のパラメータを次の順序で使用します。

1.ルートブリッジまでのパスコストが最小のポートを選択する（図1）иBRйパスコストは各ポートの速度によって決定され、デフォルトでは10Mbpsは100、100Mbpsは19、1Gbpsは4、10Gbpsは2です。非ルートブリッジはルートブリッジまでの合計パスコストが最小になるポートをルートポートに選択します。

2. 隣接スイッチのブリッジIDが最小のポートを選択する（図2）
1.でルートブリッジまでのパスコストが同じポートが複数存在する場合、2番目のパラメータとしてブリッジIDが検討されます。これは、各ポートの接続先スイッチのブリッジIDを比較し、その値が最小となるポートをルートポートに選択します。なお、ブリッジIDは「ブリッジプライオリティ」と「スイッチのベースMACアドレス」から構成されていて、上位桁がブリッジプライオリティとなります。
このため、ブリッジプライオリティの小さいスイッチが優先されることになり、ブリッジプライオリティが同じ値の場合だけ、各スイッチのベースMACアドレスが比較されます。ブリッジプライオリティのデフォルト値は32768です。

3．ポートIDが最小のポートを選択する（図3）
2.の比較でブリッジIDが同じ、つまり接続されているスイッチが同一の場合、最後に接続された相手側のポートIDが最小のポートをルートポートに選択します。
ポートIDは「ポートプライオリティ」と「ポート番号」から構成されていて、上位桁がポートプライオリティとなります。このため、ポートプライオリティの小さいスイッチが優先される事になり、ポートプライオリティが同じ値の場合だけ、ポート番号で比較されます。なお、Catalystスイッチにおけるポートプライオリティのデフォルト値は128、ポート番号は機種によって異なっています。