職場Wi-Fiの「つながらない」「遅い」を、解決する技術「Client Match™」とは?

Q:今日はよろしくお願いします。まずは、自己紹介をお願いします。

中村さん:製品担当の中村です。エンタープライズ向けの大規模ネットワーク用製品から、HPE Networking Instant Onのようなスモールビジネス向けの製品まで、幅広く担当しています。例えば、新製品発表時には、販売につながる訴求ポイントを見極めたり、販売を終了した製品についてもどのようなコミュニケーションが必要かを考えたりと、さまざまなフェーズで製品のセールスに関する業務を行っています。

横山さん:プリセールスの横山です。HPEの製品を販売していただいているパートナー企業様とのやり取りを担当しています。具体的には、製品情報のアップデートや問い合わせ対応、テクニカルなお困りごとやトラブル時のサポートなどを行っています。最近では、HPE Networking Instant On製品に関しても担当プリセールスとして、お客様への紹介および問い合わせをお受けしています。
Q:HPE Networking Instant Onはスモールビジネス(中小企業・店舗)向けの製品ですが、ユーザーの困りごととしてどのような例が挙げられますか?

中村さん:ビジネスでWi-Fiを使う際の困りごとは多岐にわたりますが、私の体感で最も多いのは「つながりにくい」「途切れる」といった電波環境の安定性に関する問題ですね。オンライン会議システムやグループウェアの使用が増えていますので、突然Wi-Fiが切れて業務に支障が出てしまうといった声をよく耳にします。
特徴的なのが「スティッキークライアント」という問題です。「スティッキー」は「ネバネバとベタつく」という意味で、Wi-Fiに接続した端末が移動して、元々接続していたAPとの信号強度が弱くなったにも関わらず、適切なAPにローミング(APの切り替えのこと)しない現象です。適切なAPに接続できていないクライアントおよびそのクライアントが接続しているネットワークでは、その通信品質が著しく低下する可能性があります。
横山さん:スティッキークライアントや、一定のAPや周波数に接続が集中してWi-Fi接続速度が下がるといった問題を解決するのがClient Match™の役割です。これはAruba Networksが開発した特許技術で、クライアントに最適なAPの最適な周波数帯に接続を促す機能になります(スティッキークライアント・ロードバランス・バンドステアリング)。HPE Networking Instant Onのすべてのアクセスポイント製品にはClient Match™が搭載されています。
Q: Client Match™とはどのような機能でしょうか? どのように問題を解決してくれますか?

横山さん:Client Match™の動作プロセスを簡単に説明すると、まずAPが周辺のAP情報や端末の接続状況を収集します。具体的には、どのAPのどの周波数帯にどんな端末が何台接続しているかや、どのAPからの電波がどのくらいの強度かといった情報です。これをリアルタイムで集めています。
次に、収集した情報を基に、各端末にとって最適なAPと周波数帯を判断します。そして必要に応じて、端末の接続先を最適なAPの最適な周波数帯に移動させます。
特徴となる技術が、アクセスポイント側からクライアントの接続を一時的に解除し、最適なAPや周波数帯にのみ再接続できるよう制御する点です。Client Match™を搭載したアクセスポイント製品は、端末を取り巻く電波環境が変化しても常に最適な接続状態を維持できます。
中村さん:実際の使用シーンに当てはめて補足しますね。例えば、オフィス内を移動しながらビデオ会議をしても、Client Match™機能があれば接続が途切れにくくなります。また、カフェのような場所でお客の入れ替わりが激しい時やランチ時など急に接続数が多くなった時でも、安定した接続を提供できるようになります。
オフィスのほか、小規模のクリニックやカフェ、バーなどIT専門家がいない職場環境でも、Client Match™機能によって快適なWi-Fi環境を維持できているという声をたくさんいただいています。
Q:複数のアンテナで通信を行う技術「MIMO」との違いを教えてください。
横山さん:MIMOは「Multi Input Multi Output」の略で、複数の端末をAPが持つ複数のアンテナで同時に通信させて、通信量を増やす技術です。HPE Networking Instant Onのアクセスポイント製品はもちろん、他社の製品にも一般的に使われ、アクセスポイントの製品スペックには「2×2:2」などと表示されています。これは「送信アンテナが2本×受信アンテナが2本搭載。それを2ストリームでデータ送受信する」という意味です。通信速度を上げるという面ではClient Match™と共通しますが、仕組みはまったく異なります。
MIMOは「複数のアンテナで同時に通信」できる技術で、1車線道路を2車線道路にして交通量を増やすのと同じです。しかし、渋滞が発生しているのにその車線を通ろうとすると速度は遅くなります。あらかじめ空いている別の道路を調べておいて、渋滞が発生したら「こちらの道を通ったほうが速い」と、端末を自動的に最適なAPへつなぎ変えます。これがClient Match™によるロードバランスです。
また、アクセスポイントだけでなく最適なWi-Fiの周波数帯に接続させる機能もあります。2.4GHzの周波数と5GHzの周波数とでは、最大通信速度は5GHzのほうが上です。でも5GHzのAPばかりに端末が接続して、通信速度が遅くなっている時は2.4GHzのほうへ一部の端末の通信を切り替えてそれぞれの通信速度を高めます。これをバンドステアリングと呼びます。
「APのアクセス状況をモニタリング」「最適なAPをリアルタイムで選び接続先を切り替える」「負荷を分散させるロードバランス」「最適な周波数帯に接続させるバンドステアリング」という機能が、“動的”にクライアントに最適な電波環境を提供できるのがClient Match™なのです。これは特許技術のため、HPEの製品と他社製品の違いになります。
Q:詳しく解説いただきありがとうございます。ユーザーとなる顧客に、Client Match™はどのようなメリットをもたらすのでしょうか?

中村さん:最適なところに常につながることが、Client Match™の強みです。これまでWi-Fiがつながらなかったり、つながりにくかったりした場所でも、HPE Networking Instant Onのアクセスポイント製品を導入していただくだけで、Wi-Fi環境が改善することが一番のメリットだと思います。改善を必要とする背景として、特に最近多いのが、オンラインミーティングが日常的になって通信量が増加したり、スマホやPCに限らずIoTデバイスが増えたりして、同時にWi-Fiを使用する端末が増加していることです。Client Match™によって通信量の増加にも、端末の増加にも対応して、常にWi-Fiを快適に使える体験を提供できる点が、他社製品との大きな違いだと感じています。
横山さん:HPE Aruba Networking製品全体には、「People move. Networks must follow.(人は動く。ネットワークはそれについていかなければならない)」というコンセプトが背景にあります。その信念に基づいて、有線LANしかなかった時代から、モバイル時代のネットワークのあり方を追求して技術を注力し続けてきた結果、生まれた技術がClient Match™です。
また、HPE Networking Instant OnのClient Match™に関しては、簡単に設定できるというメリットもあります。Instant On製品の場合はClient Match™が標準でオンになっていて、パラメーター等も設定不要です。ユーザーが迷ったり悩んだりすることなく、製品を購入して電源を入れるだけでClient Match™が利用できて、Wi-Fi環境が改善できます。他社製品にはない、動的に電波状況を見て最適なAPを変えていけるメリットをすぐに感じていただけます。
「今、使っているWi-Fiがつながりにくい」と、少しでも感じることがあれば、Client Match™を搭載したHPE Networking Instant On製品をぜひ試していただきたいなと思っています。
まとめ:Client Match™で、本来のビジネスに集中できるWi-Fi環境を実現しよう!
中村さんと横山さんのお話から、スモールビジネスの現場で起こりがちな「Wi-Fiの悩み」の解決に、Client Match™が役立つ理由が分かりました。
Client Match™は、Wi-Fi環境における大きな課題であるスティッキークライアントの解消、つまり「つながりにくさ」と「不安定さ」を効果的に解消できます。
IT専門スタッフが不在の環境でも、複雑な設定や日常的な管理なしに高度なWi-Fi最適化が実現できる点は、あらゆるビジネスに大きなメリットをもたらします。Wi-Fiの環境にまつわる悩みから解放され、本来の業務に集中したいなら、HPE Networking Instant On を選択肢として検討するのはいかがでしょうか。

